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日本の街

かつての宿場町は県庁所在地に。緑あふれる歩行空間と落ち着いた市街地


浦和

街のあらまし

東京から20km圏、埼玉県の県庁所在地・浦和。J1強豪チームである浦和レッズや、高級住宅街としても有名です。

1869年、武蔵国大宮に県庁を置く「大宮県」が設置されるも、県庁舎の場所決めに難儀している間に庁舎建設地が浦和へ移り、「浦和県」に改称。 その後の第一次府県統合で「埼玉県」(現在の県域の東側)が誕生すると、県庁所在地は岩槻に……置かれる予定でしたが、適地なしとして、浦和の旧県庁舎に県庁が置かれ、今日まで続いています。

城下町を由来とした街が多い日本の県庁所在地の中で、浦和は数少ない宿場町をルーツとする街。 城を中心に東西南北へ「面」的に街が広がる傾向にある城下町と比べると、南北に伸びる街道である中山道に沿って「線」で栄えている街でした。 近代以降、その西側に県庁、東側に駅が設置されると、東西への広がりを持った「面」的な街に進化していきます。

街道を中心にゆるやかに拡張をしてきた街ですが、戦後になると「市街地改造事業」として行われた「浦和駅前市街地改造事業」により、駅西口が整備。駅から県庁へ至る大通り(県庁通り)や、伊勢丹・コルソといった大型施設の建設がなされました。今日では、駅周辺と「なかまち商店街」を中心とした東西の通りが商業軸として栄えており、かつての中心だった南北軸である中山道沿いには銀行や証券会社が集積する格好です。

街を見渡すと、中山道や県庁通りといった車のメインストリートから外れる形で、なかまち商店街や裏門通り、さくら草通りなど、歩行者が中心になる街路も充実しています。電柱の地中化や街路樹の整備も積極的に行われており、ゆるやかな地形の変化もあり、歩いてて愉しさを覚える瞬間も多い印象です。

また、かつては「鎌倉文士に浦和画家」と呼ばれるほど文化的な土地でもありました。現在ではあまり名残はありませんが、駅の南西側にはアートギャラリーのある一角もあります。

駅周辺〜埼玉県庁

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浦和駅西口。駅ビル「アトレ」は2008年〜2018年にかけて開業。

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浦和駅西口。駅前広場は市街地改造事業で1981年に完成、街路樹の多さが目を引きます。
正面のビルは同じく1981年に開業した「コルソ」。イタリア語で「道」を表す名前で、施設の中央にはかつての駅前通りをトレースする形で「コルソ通り」という吹き抜けの通路も整備されています。
市街地改造事業の前からこの地で営業していた店舗も多く入居

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駅前広場の北側には伊勢丹浦和店が鎮座。年間売上は362.8億円(2025年3月期決算。出典)と、三越伊勢丹の中でも上位です。

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駅前広場の一角に設置されている「浦和うなこちゃん」像。やなせたかし氏がデザイン、浦和の名物であるうなぎをPRしています。待ち合わせスポットとしても使われてるんでしょうか。

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駅前広場。大きく育った街路樹に、緑の国際興業バスが調和します。

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駅前広場から西へ延びる県庁通り。写真左側(南側)では再開発工事が進んでいます。

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県庁通り西方向。オフィスビルが集積。

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県庁通り東方向。再開発の巨大タワマンが顔を出します。景色が変わる大きさ。

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浦和駅西口交差点。中山道と県庁通りの交点であるここに建つ、特徴的なデザインのビル「KOMON」は、 2020年グッドデザイン賞も受賞。

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県庁通りをさらに進みます。

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県庁通り。

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ゆるやかな下り坂に差し掛かると、右手に埼玉会館が見えてきます。前川國男設計の名建築。

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埼玉会館近く。

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下り坂を降りきり、再び上り坂になると埼玉県庁へ。通りは県庁を前に左へ屈曲し、再び丘を登り始めます。

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埼玉県庁の南側へ回り込みました。このあたりは落ち着いた官庁街といった趣です。

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同地から東方向。

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埼玉県庁舎。

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の反対側には、さいたま地方裁判所、さいたま地方検察庁、さいたま拘置支所などが集積。もともとは刑務所があった一角です。

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県庁前バス停。

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県庁本庁舎の北側へ。県衛生会館(写真)や県農林会館、第二庁舎などが集まります。

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シビックセンター然とした落ち着いた街並みです

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県庁の西側に出ると、国道17号が南北に走ります。 古くは中山道でしたが、バイパスとして街の西はずれに建設。オフィスやマンションが立ち並びます。写真は北方向。

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同地点から南方向。

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県庁前交差点。駅前から続く市街地はこのあたりで終わり、住宅街に溶け込んでいきます。

なかまち商店街周辺

浦和駅周辺の繁華街はこのあたり。 駅の利用者規模のわりには、歓楽街らしい歓楽街が見当たらないのは特徴的です。 ヨーカドーとなかまち商店街を中心に、商店や飲食店が混ざります。

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伊勢丹浦和店の北側に伸びる通り。正面はイトーヨーカ堂浦和店に突き当たる格好です。

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道は狭く、歩行者のための通りといった雰囲気。

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イトーヨーカ堂浦和店。市街地改造工事でC棟として建設、地権者の仮店舗の営業に使われ、その後ヨーカ堂が入りました。時代を感じる意匠です。

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ヨーカ堂の南側を東西に横切るなかまち商店街。東西の軸のひとつになる通りで、活気にあふれています。

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普通のアスファルト舗装ですが、この狭さの割にちゃんと街路樹が生えてるのは特色に思います

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なかまち通り。飲食店、美容室、商店、スナックなどが入り混じります

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アイプラス1。伊勢丹の別館です。伊勢丹本館の北側にひっそりと佇みます。

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中山道の東側に並行する形で通る路地。飲食店の集積があります。

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ザ・パークハウス浦和タワー。浦和の中心市街地ど真ん中にあり、かつては「名店センター」という商業ビルがありました。

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さらに北へ進みます。雨後の筍のように建つ新築マンションが目立ちます

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雑居ビルとマンションが並ぶとスケール感狂いますね

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仲町平和通り。東西の通りです。住宅が多いですが、隠れ家的な飲食店も点在しています。

さくら草通り

コルソ通りから埼玉会館までを東西に結ぶ通りです。 現在は歩行者空間として整備されていますが、かつては浦和駅と中山道を結ぶ重要な通りでした。

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さくら草通りを西方向へ。右側にある郵便局の立地がこの場所の重要性を物語ります。

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東方向。正面のステンドグラスは「コルソ通り」への入り口で、駅までの軸線になっています。

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再び西方向へ、中山道との交差点付近。正面に埼玉会館が近づいています

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中山道交わるこの場所は、古くの浦和の街の中心。

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同地点から北方向。中山道が緩やかなカーブを描きます。

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再びさくら草通りへ。落ち着いた通りです。

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埼玉会館前。正面のロイヤルパインズホテルが目立ちます。

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埼玉会館横の広場。周辺は住宅街です。

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